サンプル3

長文テスト。

 海のおきへ、遠く遠く出ていきますと、水の色は、いちばん美しいヤグルマソウの花びらのようにまっさおになり、きれいにすきとおったガラスのように、すみきっています。けれども、そのあたりは、とてもとても深いので、どんなに長いいかり綱づなをおろしても、底まで届くようなことはありません。海の底から、水の面おもてまで届くためには、教会の塔とうを、いくつもいくつも、積みかさねなければならないでしょう。そういう深いところに、人魚たちは住んでいるのです。


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 みなさんは、海の底にはただ白い砂地があるばかりで、ほかにはなんにもない、などと思ってはいけません。そこには、たいへんめずらしい木や、草も生はえているのです。そのくきや葉は、どれもこれもなよなよしています。ですから、水がほんのちょっとでも動くと、まるで生き物のように、ゆらゆらと動くのです。
 それから、この陸の上で、鳥が空をとびまわっているように、水の中では、小さなさかなや大きなさかなが、その枝えだのあいだをすいすいとおよいでいます。


「人魚の姫」ハンス・クリスチャン・アンデルセン/青空文庫
20XX/12/03 00:00